ASEANの人口と人口増加率

よしお

2013年05月31日 13:49

今回はASEANの中で、今後経済成長の可能性が高い国はどこか?というテーマで、ASEANの人口と人口増加率についてまとめました。まずは下の式をご覧下さい。

一国の経済成長率 = 人口成長率 + 一人当たり実質GDP成長率

経済成長率を測る上で、人口成長率は重要なファクターになります。当然ですが、人口減少が進む日本より、人口が増加するASEAN諸国のほうが経済成長するという当たり前のロジックです。だとすれば、同じASEAN諸国の中でも、経済成長率を比較予想することが可能だと言えるでしょう。

また、人口はマーケティングの重要指標です。例えば、一人当たりGDPがほぼ同じであるラオス・カンボジアのいずれかに進出する場合、国内消費を考えれば人口が2倍強多いカンボジアに進出するほうが、潜在顧客は当然多くなります。


出所:世界経済のネタ帳、 国際連合人口推計:2010年版
 ※人口増加率は2005年-2010年の値です

数字から読み解くと、フィリピンの経済成長は今後も続きそうです。強いて言うなれば、島国のため隣国からの経済効果を受けにくいという点でしょうか。その点だと、タイは立地的にどの国からの経済効果も吸収できる位置にあります。EUにおけるドイツ・フランス・スイスとも言えます。周辺諸国に比べ法整備が進んでいる点も評価できるでしょう。その他、個人的にはインドネシア・カンボジアに興味を持っています。

課題は少子高齢化

生産年齢人口が従属人口に比して高まる時期を「人口ボーナス」と呼びます。日本では1950年代から90年代が人口ボーナス期でしたが、平均成長率は7%近くに上りました。経済成長率10%以上を記録した、高度経済成長期(60年代)もこの時期です。


出所:日経ビジネスオンライン

上のグラフを見ていただくと分かりますが、中国やアジアNIEs(シンガポール・韓国・香港・台湾)、タイの生産年齢人口比率は2010~15年をピークに低下に向かう見込みです。当然ながら、長期的に見ると生産人口が増加する国に資本を入れる(投資する)べきです。

人口ボーナスは同じ時期に始まった

もう一点注意しておきたいのは、ASEAN諸国の人口ボーナスはほぼ同時期に始まったということです。現在も各国で貧富の差が見られることから、やはり政策など国によって、この人口ボーナスを活かせるかどうかは変わります。政権の安定、政策を活かして成長している国に投資するべきでしょう。例を挙げるなら、国を挙げて外資企業を呼び込み自動車生産量を前年比68%増加させたタイ、イスカンダルプロジェクトで外資を呼び込むマレーシアなどは安定しています。

まとめ

ASEANの少子高齢化・人口ボーナスについて論じてきました。グラフを見ていただいても分かるように、ASEAN諸国でも少子高齢化が進む国、人口が増加する国に分かれます。日本のように人口が減少するという傾向はないものの、タイの少子高齢化は懸念されています。とはいえ、2015年のASEAN経済統合で、ヒト・モノ・カネの移動が自由になればこの傾向も一変する可能性も含んでいます。

次回は厳しさを増す、キャピタルフライトの環境について書く予定です。

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