普段タイで生活しているためタイへの投資メリットを記しがちですが、タイのカントリーリスクに関する考察・第1回をご紹介します。
政情不安、喫緊の課題
現在のバンコク封鎖が物語るように、タイではここ10年近くずっと不安定な政治情勢にあります。ご存知のようにタクシン派(赤シャツ)と反タクシン派(黄シャツ)の対立です。今回も総選挙で勝てないことが分かっている野党がバンコク封鎖という強硬な手段に出るように、民主的な環境と呼ぶには程遠いのが現実。
2006年の
軍事クーデター、2008年の
スワンナプーム空港占拠や2010年の
伊勢丹放火炎上など、枚挙に暇がありません。第二次世界大戦前後も大規模な内戦や内乱がなく政治的に安定していた時代が戻ってくることはあるのでしょうか。
不正選挙の疑いがあるマレーシア、時のフンセン政権と野党が争うカンボジア、軍事政権から民主化を目指すミャンマーなど近隣諸国も同様ですが、今回のような大規模な問題は、タイの生命線とも言える海外直接投資額を減少させることになります。
プミポン国王の後継問題
今年87歳を迎える、プミポン国王(ラーマ9世)の後継者問題も悩みのタネ。王位継承権は1972年にワチラーロンコーン王子、1975年にシリントーン王女と2名へ贈られています。人気という意味では後者の王女が圧倒的ですが、生涯独身で50歳を超えるため後継者の出産が難しいという難点が指摘されました。人気・評価と裏腹に子供の多いワチラーロンコーン王子が跡継ぎになることが、現在のところ有力視されています。
世間一般の話を聞くと、評判が悪いのも事実。(不敬罪に抵触する可能性がありますので、個人的な評価は差し控えます) このあたりの問題もあり、王女に王位継承を言う話もありますが、そうなると陸軍とつながりの深い王子が何か起こす可能性もあります。この王位継承に関するいざこざが最大のリスクとも言えるでしょう。
洪水リスク
先に述べたリスクがスポット的なのに対し、洪水リスクは毎年起こる定番です。特にアユタヤの洪水被害は恒例となっており、2013年も大きな被害がありました。政府は1兆円規模で治水工事を行っていますが、こうした工事は成果が出るまで時間を要します。大洪水のあった2011年以降、外資が新規で工場を建てる際、アユタヤは選択肢から外れるようになってきました。
バンコク北部や周辺のノンタブリ県なども洪水リスクがあります。事業進出や不動産購入を考える場合は、まず洪水リスクに注意することが肝要です。日本でいうところの地震リスクと言えるでしょう。
※この記事は2回に分けてお届けする予定です。続編にご期待ください。
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